「ユーリ、眉間に皺」
「……わかってんだよんなことは」
親友かつ腐れ縁のフレンに指摘された皺をのばすこともせずにユーリは深くため息を吐きだすばかり。苛々するのは仕方がない。眉間に皺が寄るのだって、仕方がないことなのだ。ただひとり、ある人物がいない。ただそれだけのことなのに。
「……アスベル不足で死にそうなんだけど」
「……君はアスベルがいないと生きていけそうにないね」
少し前までは彼の名前すら知らなかったのにね。
フレンはそれはもう嫌そうな顔をして嫌味を言ってのけた。ちくしょう。お前だってそうじゃねぇかよ、とは言わない。言い返す気力すら最早わかなかった。
……あぁ、俺もそろそろ限界か……
そんなことを考え始めた途端、聞き慣れた、それでいて一番会いたかった人物の声と共にドアが開かれた。
「……すみません、フレン隊長!!少し遅れまし……って、どうしたんですかユーリさん」
「…………」
「……君不足で死にそうなんだってさ」
「は?」
ベタぼれ注意報
(俺、買い物に行ってきただけなんですけど……)